根抵当権と相続

元本の確定期日の定めがない根抵当権の根抵当権設定者は、根抵当権の設定の時から３年を経過した時は、根抵当権者に対して担保すべき元本の確定請求をすることができます。
この確定請求がなされた場合には、担保すべき元本はその請求のときから２週間を経過することによって確定します。
この元本確定請求は、根抵当権設定者の相続人も行うことができます。

債務者の相続開始時に根抵当権で担保されている債務が存在する場合に、債務は遺産分割の対象とはならず、共同相続の場合には相続を放棄した者を除き、包括受遺者を含めた共同相続人全員が、根抵当権の債務者の地位を承継します。
したがって、相続による根抵当権の債務者の変更登記の申請情報には、被相続人の共同相続人全員を債務者として記載することになります。
なお、根抵当権で担保される相続債務が存在しない場合であっても、指定債務者の合意の登記をしようとするときは、相続による債務者の変更登記は必要となります。

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相続開始後６カ月以内に指定債務者の合意の登記をしないときは、担保すべき元本は、相続開始の時に確定したものとみなされます。
債務者の相続人が１人だけの場合でも相続開始後６カ月以内に指定債務者の合意の登記をしなければ元本は確定します。
指定債務者となる者は、相続による根抵当権の債務者の変更登記によって債務者と表示されている者でなければなりません。
なお、指定債務者の合意の登記については、後順位抵当権者やその他の第三者の承諾は要しません。
また、指定債務者の合意の登記は、債務者の相続開始後６カ月以内に申請しなければなりませんが、この６カ月の期間は、相続開始日の翌日を起算日とし、起算日から６カ月後の応当日の前日の終了をもって６カ月の期間が満了します。
具体的には、１２月１日に債務者が死亡した場合、その翌日である１２月２日が起算日となり、その６カ月後の６月２日の前日６月１日の終了をもって期間が満了します。